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文献詳細

雑誌文献

検査と技術46巻8号

2018年08月発行

文献概要

技術講座 一般

尿沈渣における悪性(異型)細胞の鑑別法—上皮細胞判定を取り巻く臨床情報の把握

著者: 藤利夫1 小材和浩2 余門誠3

所属機関: 1(株)リンテック検査統轄部 2福岡赤十字病院病理診断科 3公立学校共済組合九州中央病院検査技術科

ページ範囲:P.847 - P.854

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Point

●尿路に発生する悪性腫瘍は,病理組織学的に約90%が尿路上皮癌(UC)であり,残り約3〜5%が腺癌および扁平上皮癌といわれている.よって,多くの労力はUC(特に,高異型度)の同定に向けられる.

●尿中上皮細胞を判定する場合,機械的尿採取・膀胱炎や尿路結石・ウイルス感染・各種癌治療の影響・腎障害などの症例(反応性変化)は,悪性(異型)細胞との鑑別に苦慮することがある.

●悪性腫瘍の診断で単純X線検査・コンピュータ断層撮影(CT)・磁気共鳴画像法(MRI)・内視鏡検査・超音波検査などの画像所見は,尿中形態検査(尿沈渣と尿細胞診)を評価するうえで有力な情報源となる.

参考文献

1)藤利夫:異型細胞の歴史—尿中悪性腫瘍の判定に連動する診断法・治療法を摸索.第10回玄海シンポジウムテキスト 九州臨床検査技師会一般検査分野,pp23-33,2011
2)日本泌尿器科学会,日本病理学会,日本医学放射線学会(編):腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約,第1版.金原出版,2011
3)金城満,奥村幸司:第2章 細胞診編 6.膀胱・尿管・尿道.病理と臨(臨時増刊号)24:303-310,2006
4)藤利夫,油野友二,宿谷賢一,他:一般臨床検査・尿沈渣(形態と成分).矢冨裕,横田浩充(監),伊藤機一,松尾収二(編):標準臨床検査学 臨床検査総論.医学書院,pp83-95,2013
5)藤利夫,竹下律子,小材和浩:尿沈渣成分の鑑別—上皮細胞(異型細胞):膀胱癌の臨床診療に迫る,異型細胞検索との関連性を求めて.検と技 37:732-736,2009
6)日本臨床衛生検査技師会尿沈渣検査法編集委員会:尿沈渣検査法2010.日本臨床衛生検査技師会,2010
1)藤利夫,今井律子,三浦弘守,他:泌尿器細胞診.西国広(編著):基礎から学ぶ—細胞診のすすめ方,第3版.近代出版,pp114-119,2012
2)藤利夫,西国広,古市佳也,他:尿沈渣と尿細胞診.西国広(編著):尿沈渣検査のすすめ方—「尿沈渣検査法」の標準化に向けて.近代出版,pp72-86,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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