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文献詳細

雑誌文献

検査と技術46巻8号

2018年08月発行

文献概要

技術講座 輸血・遺伝子検査 シリーズ HLA-DNAタイピング検査・1

—step up編—HLA検査の意義

著者: 中村潤子1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院輸血部

ページ範囲:P.855 - P.860

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Point

●ヒト白血球抗原(HLA)は第6染色体短腕上に存在する主要組織適合遺伝子複合体(MHC)であり,生体内で最も多型に富み,免疫応答や移植の成否に関与する.

●医療分野におけるHLA検査は,移植におけるドナーとレシピエントの組織適合性,血小板輸血不応時の血小板選択,各種疾患の診断補助の目的で実施される.

●HLA型は従来,リンパ球細胞傷害性試験(lymphocyte cytotoxicity test:LCT)による血清学的検査法で分類されていたが,遺伝子解析技術の進歩により遺伝子レベルでの分類へと変化した.現在はPCR法に基づき遺伝子多型を判定するDNAタイピング法が主流となっている.

参考文献

1)Nomenclature Committee for Factors of the HLA System(http://hla.alleles.org/nomenclature/naming.html)(2017年12月20日アクセス)
2)Robinson J, Halliwell JA, Hayhurst JD, et al : The IPD and IMGT/HLA database: allele variant databases. Nucleic Acids Res 43:D423-D431,2015
3)Robinson J, Malik A, Parham P, et al : IMGT/HLA database—a sequence database for the human major histocompatibility complex. Tissue Antigens 55:280-287,2000
1)日本組織適合性学会ホームページ:標準化委員会(http://jshi.umin.ac.jp/standarization/index.html)(2017年12月20日アクセス)
2)日本臓器移植ネットワークホームページ(http://www.jotnw.or.jp/)(2017年12月20日アクセス)
3)猪子英俊,笹月健彦,十字猛夫(監),大谷文雄,木村彰方,小林賢,他(編):移植・輸血検査学.講談社サイエンティフィク,2004
4)小川公明:HLAの基礎知識3.MHC 24:38-45,2017
5)木崎昌弘(編):カラーテキスト血液病学,第2版.中外医学社,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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