icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術46巻8号

2018年08月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈輸血〉

直接クームス試験の目的と結果解釈

著者: 福吉葉子1

所属機関: 1熊本大学医学部附属病院輸血・細胞治療部

ページ範囲:P.874 - P.879

文献購入ページに移動
クームス試験

 クームス試験は,1945年Robert Royston Amos Coombs(英国)ら1)が開発した検査法であり,抗グロブリン試薬(クームス試薬)を用いた赤血球凝集反応により赤血球の細胞膜に免疫グロブリンが結合しているか否かを調べる方法です.検査法を開発したクームスの名前に由来し,クームス試験とも呼ばれていますが,現在は抗グロブリン試験(anti-globulin test:AGT)と呼ばれることが一般的であり,直接クームス試験は直接抗グロブリン試験(direct antiglobulin test:DAT),間接クームス試験は間接抗グロブリン試験(indirect antiglobulin test:IAT)といいます.AGTに用いられるクームス試薬には,通常抗IgG抗体と抗補体が含まれています.

参考文献

1)Coombs RR, Mourant AE, Race RR : A new test for the detection of weak and incomplete Rh agglutinins. Br J Exp Pathol 26:255-266,1945
2)American Association of Blood Banks(編),柴田洋一(監訳):Technical manual 日本語版,第20章 直接抗グロブリン試験陽性の意義と免疫性溶血.オリンパス光学工業,pp455-488,2002
3)Chapuy CI, Nicholson RT, Aguad MD, et al : Resolving the daratumumab interference with blood compatibility testing. Transfusion 55(6 Pt 2):1545-1554,2015
4)Oostendorp M, Lammerts van Bueren JJ, et al : When blood transfusion medicine becomes complicated due to interference by monoclonal antibody therapy. Transfusion 55(6 Pt 2):1555-1562,2015
5)日本輸血・細胞治療学会(編):赤血球型検査(赤血球系検査)ガイドライン(改訂2版),2016
1)日本臨床衛生検査技師会(監):輸血・移植検査技術教本.pp140-143,pp148-149,pp178-183,丸善出版,2016
2)改訂版作成のためのワーキンググループ:自己免疫性溶血性貧血 診療の参照ガイド(平成26年度改訂版).厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 特発性造血障害に関する調査研究,2015年3月
3)日本臨床血液学会マニュアル作成委員会,社団法人日本病院薬剤師会,重篤副作用総合対策検討会:重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤性貧血.厚生労働省,平成19年6月

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?