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臨床検査のピットフォール
当直で不慣れな髄液検査を行うときの注意点
著者: 長嶌和子1
所属機関: 1藤田保健衛生大学病院臨床検査部
ページ範囲:P.884 - P.887
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髄液検査の適応がある疾患には髄膜炎や脳炎といった中枢神経系感染症をはじめ,くも膜下出血,多発性硬化症,脳ヘルニア,脊髄疾患,ギラン・バレー(Guillain-Barré)症候群,脳腫瘍,白血病の髄膜播種などがあります.
これらの疾患の診断と経過観察のために髄液検査が施行されますが,実際には患者が発熱や頭痛,嘔吐を起こしており,診察の結果,頸部硬直などの髄膜刺激徴候を認めた際の原因究明のために検査されることが多く,髄膜炎と脳炎がその主体をなしています1).
髄液検査における検査所見は,患者の予後に大きく関与しているため,専任技師がいるとは限らない当直時においてもその緊急性は高く,適切な治療方法の選択のために正確で迅速な結果報告が求められます.本稿では細胞数の算定を中心に,慣れない髄液検査を行うときの注意点とその対策を挙げます.
髄液検査の適応がある疾患には髄膜炎や脳炎といった中枢神経系感染症をはじめ,くも膜下出血,多発性硬化症,脳ヘルニア,脊髄疾患,ギラン・バレー(Guillain-Barré)症候群,脳腫瘍,白血病の髄膜播種などがあります.
これらの疾患の診断と経過観察のために髄液検査が施行されますが,実際には患者が発熱や頭痛,嘔吐を起こしており,診察の結果,頸部硬直などの髄膜刺激徴候を認めた際の原因究明のために検査されることが多く,髄膜炎と脳炎がその主体をなしています1).
髄液検査における検査所見は,患者の予後に大きく関与しているため,専任技師がいるとは限らない当直時においてもその緊急性は高く,適切な治療方法の選択のために正確で迅速な結果報告が求められます.本稿では細胞数の算定を中心に,慣れない髄液検査を行うときの注意点とその対策を挙げます.
参考文献
1)日本臨床衛生検査技師会(監):JAMT技術教本シリーズ—髄液検査技術教本,第1版.丸善出版,2015
2)内田一豊,林晃司,鈴木康太,他:うまく使おうBFモード,シスメックス社学術本部
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