icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術46巻8号

2018年08月発行

文献概要

過去問deセルフチェック!

解答と解説

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.888 - P.888

文献購入ページに移動
 心電図波形に余計な電気信号(アーチファクト)が入ってしまうと,心電図波形が見にくくなるだけでなく,誤った診断を下すこともある.そのため心電図を正しく判読するためには,できるだけアーチファクトを除去することが大切である.

 アーチファクトには,交流障害,筋電図の混入,基線の動揺の3つがある.心電図のⅡ誘導を拡大すると,基線部分に規則正しい波が連続的に認められる.これは交流障害(hum)と呼ばれるもので,周波数は50ないし60Hzである.交流障害の原因は,電源コードと電極を装着している人の間に起こる静電誘導,配線に電気が流れるときに起きる電磁誘導,コンセントから漏れている微弱な交流電流などがある.これらの原因を除去するためには,併用機器を遠ざける,不要な電気プラグをコンセントから抜く,周辺で電気機器を使用しない,誘導コードを束ねる,皮膚と電極との接触抵抗を小さくする,アースを確実に装着するなどの方法がある.特に電気毛布,電気アンカ,モーター類などの電気製品が交流障害の原因になりやすいため,近くにあれば電源を切り,コンセントから抜くとよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?