文献詳細
文献概要
増刊号 現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド 1章 こんなときどうする? 免疫染色の“困った”を解決 困った② 陽性対照組織も検体組織も染色されない
抗体試薬の選択に問題がある
著者: 柳田絵美衣12
所属機関: 1慶應義塾大学医学部病理学教室 2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
ページ範囲:P.936 - P.939
文献購入ページに移動■原理・原因
図1のように,抗体分子IgGは重いペプチド(H鎖:heavy chain)と軽いペプチド(L鎖:light chain)からなる.H鎖の約3/4,L鎖の半分の構造は類似性が大きいが,残りの部分の構造は分子によって大きく違っている.この部分を可変部といい,この構造の違いが対応できる抗原の選択を担う.つまり,図2のように,可変部の構造と目的の抗原が合致すれば,結合して抗原抗体反応を起こす.しかし,可変部の構造と目的の抗原が一致しなければ,結合できず抗原抗体反応は起こらない.免疫染色を実施しても,一次抗体が抗原と結合できなければ染色は陰性となる.
掲載誌情報