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文献概要
増刊号 現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド 1章 こんなときどうする? 免疫染色の“困った”を解決 困った③ 染色にムラがある
抗原賦活処理に問題がある
著者: 柳田絵美衣12
所属機関: 1慶應義塾大学医学部病理学教室 2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
ページ範囲:P.960 - P.962
文献購入ページに移動■原理・原因
加熱による抗原賦活処理の原理は,
①メチレン架橋が切断され,ポリペプチド鎖が伸展する
②冷却により伸展したポリペプチド鎖が本来の形に再構成される(図1)
ことによると考えられており,本来の形に再構成することを再フォールディングという.蛋白は,変化を加えられたときに本来もつ構造に戻ろうとする性質をもっているため,ホルマリンによるさまざまな結合を加熱処理で緩和させることで,蛋白の性質を利用して本来の構造に近い状態に戻している.
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