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増刊号 現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド 1章 こんなときどうする? 免疫染色の“困った”を解決 困った⑤ 切片の剝離が激しい
薄切後の操作に問題がある
著者: 柳田絵美衣12
所属機関: 1慶應義塾大学医学部病理学教室 2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
ページ範囲:P.996 - P.997
文献購入ページに移動■原理・原因
スライドガラス上に切片を載せた後の乾燥が不十分な場合,スライドガラスと切片の間に水分が残存する.その水分がゆっくりと蒸発していくと,スライドガラスと切片の間に空洞ができる(図1).この空洞により,切片がスライドガラスから浮き上がっている部分は白っぽく見える(図2).
免疫染色では,抗原賦活処理での加熱や圧力,洗浄時の振動や緩衝液の表面張力により,切片は物理的なダメージを多く受ける.そのため,スライドガラスと切片との間に隙間があると,剝離のきっかけとなり切片が剝離してしまう.
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