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文献詳細

雑誌文献

検査と技術46巻9号

2018年09月発行

増刊号 現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド

3章 免疫染色に強くなる! 免疫染色の極意

硬組織

著者: 今川誠1

所属機関: 1KKR札幌医療センター病理診断科

ページ範囲:P.1034 - P.1035

文献概要

脱灰液は“蛋白に優しい”キレート溶液を選択すべし!

■キレート溶液

 キレートとは,ギリシャ語で“カニのはさみ”の意味である.キレートははさみで金属イオンを挟むような構造をとることから,キレートと金属イオンの反応は“キレート反応”と呼ばれる.キレート溶液のエチレンジアミン四酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid:EDTA)は,代表的な脱灰液である.EDTAは選択的に金属イオン(カルシウムイオン)と配位結合することで,脱カルシウム(脱灰)作用を生じる.つまり組織中のカルシウムイオンのみが除去されるので,蛋白に対しては影響を及ぼさない.そのため,長時間の脱灰処理を行っても組織への障害は少なく,免疫組織化学の染色性は担保される(図1).

参考文献

1)一般社団法人日本病理学会(編):ゲノム研究用病理組織検体取扱い規程,2016(http://pathology.or.jp/genome/index.html)(2018年4月25日アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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