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技術講座 生化学
文献概要
Point
●総蛋白測定はビウレット法の普及率がほぼ100%であるが,測定試薬は1試薬系試薬と2試薬系試薬が共存し,両者で共存物質の影響が大きく異なる課題がある.
●アルブミン測定は,BCG法(1試薬系試薬)と改良BCP法(2試薬系試薬)の2つの検査法が普及し,両者でアルブミンに対する特異性が大きく異なる課題がある.
●自動分析法による分析条件は,1試薬系試薬では1ポイント−二波長法,また2試薬系試薬では2ポイント−二波長法に設定される.
●二波長法は光量補正,また2ポイント法は検体盲検の除去が可能となり,標準化の実践のためには,2ポイント−二波長法が好ましい.
●総蛋白測定はビウレット法の普及率がほぼ100%であるが,測定試薬は1試薬系試薬と2試薬系試薬が共存し,両者で共存物質の影響が大きく異なる課題がある.
●アルブミン測定は,BCG法(1試薬系試薬)と改良BCP法(2試薬系試薬)の2つの検査法が普及し,両者でアルブミンに対する特異性が大きく異なる課題がある.
●自動分析法による分析条件は,1試薬系試薬では1ポイント−二波長法,また2試薬系試薬では2ポイント−二波長法に設定される.
●二波長法は光量補正,また2ポイント法は検体盲検の除去が可能となり,標準化の実践のためには,2ポイント−二波長法が好ましい.
参考文献
1)青栁絵里香,大森雅,加藤文音,他:ビウレット法は真の血清総蛋白値を反映していない—蛋白質に特異性の高いニッケル—ビウレット法を基準とした場合.日臨検自動化会誌 40:590-595,2015
2)高橋由季,池澤里桜,小澤恵理,他:血清総蛋白測定における1試薬系及び2試薬系ビウレット法のアルブミンとγグロブリンの反応性の相違について.日臨検自動化会誌 42:502,2017
3)日本臨床衛生検査技師会:平成28年度日臨技臨床検査精度管理調査報告書.臨床化学部門資料,pp195-201,2017
4)松下誠:分光光度分析法.浦山修,戸塚実,奥村伸生,他(編):最新臨床検査学講座 臨床化学検査学,第1版.医歯薬出版,pp39-55,2016
5)松下誠,亀沢幸雄:分光光度分析法の可能性と限界.臨検 60:518-525,2016
6)永井謙一,山口純也:血清総蛋白測定の問題点の整理—1試薬系および2試薬系ビウレット法における相違について.臨化 47:225,2018
7)村本良三,櫛下町醇,松下誠,他:血清保存中のブロムクレゾールパープル法による血清アルブミン濃度の測定値の上昇に関する検討.臨化 20:13-17,1991
8)村本良三,松下誠,入野勤:正確度を改善したブロムクレゾールパープル法による血清アルブミン定量法の開発.臨化 26:38-43,1997
9)日本衛生検査所協会:平成29年度臨床検査精度管理調査結果報告書.調査の統括的評価① 臨床化学,pp17-61,2018
10)清宮正徳,大野さやか,山本はるな,他:アルブミンの測定法変更が病態識別に与える影響.日臨検自動化会誌 38:20-26,2013
11)中島一樹,永井謙一,村本良三,他:低アルブミン血症における改良BCP法とBCG法の不一致の解明.臨化 46:344,2017
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