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臨床医からの質問に答える
細胞診の“クラスⅢ”というのはどういう意味ですか?
著者: 藤岡学1
所属機関: 1医療法人徳洲会札幌徳洲会病院臨床検査科
ページ範囲:P.62 - P.66
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細胞診の報告様式としてわが国で最もよく知られているのがパパニコロウ(Papanicolaou)分類である.これは子宮頸部細胞診の実現に大きな功績を挙げた米国の病理学者ジョージ・ニコラス・パパニコロウ(1883〜1962年)が子宮頸部癌の観察のために使用した分類法で,判断の表現を表1のとおりⅠ〜Ⅴに区分をし,日本では子宮頸部以外の各臓器領域の細胞診においても広く用いられてきた.氏は今日でも標準の染色法として用いられているパパニコロウ染色を開発したことでも知られる.
しかし,パパニコロウ分類は,あくまでも判断の表現であって,細胞所見や形態学的な定義ではないことから,国際的にはすでに用いられなくなっている.日本でも子宮頸部細胞診のベセスダシステム(国際基準)をもとにした新報告様式,日本臨床細胞学会の細胞診ガイドライン,その他いくつかの癌取扱い規約において,クラス分類ではない判定区分を推奨している.
細胞診の報告様式としてわが国で最もよく知られているのがパパニコロウ(Papanicolaou)分類である.これは子宮頸部細胞診の実現に大きな功績を挙げた米国の病理学者ジョージ・ニコラス・パパニコロウ(1883〜1962年)が子宮頸部癌の観察のために使用した分類法で,判断の表現を表1のとおりⅠ〜Ⅴに区分をし,日本では子宮頸部以外の各臓器領域の細胞診においても広く用いられてきた.氏は今日でも標準の染色法として用いられているパパニコロウ染色を開発したことでも知られる.
しかし,パパニコロウ分類は,あくまでも判断の表現であって,細胞所見や形態学的な定義ではないことから,国際的にはすでに用いられなくなっている.日本でも子宮頸部細胞診のベセスダシステム(国際基準)をもとにした新報告様式,日本臨床細胞学会の細胞診ガイドライン,その他いくつかの癌取扱い規約において,クラス分類ではない判定区分を推奨している.
参考文献
1)坂本穆彦(編):細胞診を学ぶ人のために,第5版.医学書院,pp147-149,2011
2)坂本穆彦:細胞診の基本—細胞診断の基本 細胞診断報告様式.病理と臨 31:63-71,2013
3)日本甲状腺外科学会(編):甲状腺癌取扱い規約,第7版.金原出版,p56,2015
4)日本臨床細胞学会:泌尿器細胞診報告様式2015(http://jscc.or.jp/wp-content/themes/jscc/zassi/55-4yp/55-4-06泌尿器細胞診新報告様式解説書刊行ワーキンググループ.pdf)(2018年10月11日アクセス)
1)日本臨床細胞学会(編):細胞診ガイドライン1 婦人科・泌尿器.金原出版,pp65-70,2015
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