icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術47巻1号

2019年01月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

クロスミキシング試験成功のポイント

著者: 小宮山豊1

所属機関: 1北陸大学医療保健学部

ページ範囲:P.82 - P.84

文献購入ページに移動
はじめに

 クロスミキシング試験〔別名:交差混合試験,ミキシング試験,mixing test,保険収載名:凝固因子インヒビター定性(クロスミキシング試験)〕は,凝固時間延長の原因を探るスクリーニング検査(鑑別診断のヒント)である.ここではクロスミキシング試験の対象となりやすい活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time:APTT)延長を中心に述べる.

 本検査はスクリーニング検査であり,陰性は次の精密検査を実施しないことを意味するため,偽陰性は患者の不利益を招く.この検査が偽陰性となる要因として,血漿中の残存血小板数がかかわるため,患者血漿のみならず,試薬として用いる正常血漿の品質は重要である1〜3).以上の観点からクロスミキシング試験成功のポイントを概説する.

参考文献

1)家子正裕:その凝固因子インヒビター値は本当ですか?—偽陰性・偽陽性をきたす病態.日血栓止血会誌 29:3-9,2018
2)家子正裕:クロスミキシング試験を臨床に活かすには.医療と検機器・試薬 35:867-872,2012
3)家子正裕,小宮山豊,山崎哲,他:凝固検査検体取扱いに関するコンセンサス.日検血会誌 17:149-168,2016
4)家子正裕:抗凝固因子抗体.日本検査血液学会(編):スタンダード検査血液学,第3版.医歯薬出版,pp175-176,2018
5)山崎哲,内藤澄悦,静怜子,他:APTT検査およびループスアンチコアグラント検査の標準化.日血栓止血会誌 27:636-643,2016
6)下村大樹,上田香織,嘉藤伸一,他:クロスミキシングテスト用正常血漿としてのコアグトロールNの評価.Sysmex J 18:1-16,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?