icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術47巻10号

2019年10月発行

技術講座 生化学

シリーズ 生化学検査の基本・2

肝機能検査

著者: 山田俊幸1

所属機関: 1自治医科大学臨床検査医学

ページ範囲:P.1188 - P.1193

文献概要

Point

●肝臓の病態ごとに検査項目を理解しましょう.

●細胞傷害はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST),アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT),乳酸脱水素酵素(LD)が指標になります.

●合成能低下の指標はアルブミン(Alb),コリンエステラーゼ(ChE),総コレステロール(TC)で,重症化するとプロトロンビン時間(PT)の延長が予後に関係します.

●胆汁うっ滞の指標は,抱合ビリルビン(Bil),アルカリホスファターゼ(ALP),γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GT)で,ALPとγ-GTは異常となる頻度が高いです.

●肝不全になると,アンモニアが上昇し,非抱合Bil優位の黄疸となります.

●線維化(肝硬変)では,血小板減少がみられ,γ-グロブリンがポリクローナルに増加します.

参考文献

1)嶋田昌司,松尾収二:AST・ALTの異常と病態.臨検 57:1485-1490,2013
2)山田俊幸:11.血清タンパク質異常症.山田俊幸,大戸斉,渥美達也,他(編):新版 臨床免疫学,第3版.講談社サイエンティフィク,pp154-156,2014
3)高木康:第5章 生化学検査 酵素.高木康,山田俊幸(編):標準臨床検査医学,第4版.医学書院,pp208-212,2013
4)池田均,佐藤雅哉:第4章 臨床化学と各種病態 肝・胆道・膵系.浦山修,戸塚実,奥村伸生,他(編著):最新臨床検査学講座 臨床化学検査学.医歯薬出版,pp331-332,2016
5)飯尾悦子,田中靖人:肝線維化のバイオマーカー.臨検 62:593-599,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら