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文献詳細

雑誌文献

検査と技術47巻11号

2019年11月発行

文献概要

病気のはなし

心房中隔欠損症

著者: 富松宏文1

所属機関: 1東京女子医科大学循環器小児科

ページ範囲:P.1248 - P.1253

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Point

●心房中隔欠損症にはいくつかの病型があり,その治療方法も異なるため,病型を正しく診断することが重要である.

●心エコー検査では欠損孔と短絡血流の描出が必須であるが,それ以外に右房・右室の拡大所見や,肺動脈弁輪の拡大所見なども重要である.また,肺体血流量比の推測や,右室収縮期圧(肺動脈収縮期圧)の評価は治療適応決定に重要である.

●心電図では特徴的な異常所見を呈さないこともある.また,病型によっては経胸壁心エコー検査では診断が困難なことがあり,そのような場合にはTEEが有用である.

●心房中隔欠損症(ASD)の診断をした場合には,部分肺静脈還流異常(PAPVC),肺動脈弁狭窄,僧帽弁閉鎖不全などの合併異常の検索が重要である.

参考文献

1)高尾篤良,門間和夫,中澤誠,他(編):臨床発達心臓病学,改訂3版.中外医学社,pp380-388,2001
2)中村太地,斉藤剛克,中山祐子,他:心房中隔欠損における心電図所見の検討 下方誘導のnotchは有用か.日小児循環器会誌 29:322-327,2013
3)富松宏文:エコーで診る 先天性心疾患.アトムス,pp42-58,2018
4)村田光繁,山田達也(編):心臓手術チームのための経食道心エコー.文光堂,pp146-157,2017
5)矢崎諭,北野正尚,新居正基,他:Amplatzer septal occluderを用いた心房中隔欠損閉鎖術—留置手技に関する考察.日小児循環器会誌 23:455-462,2007
6)Gatzoulis MA, Freeman MA, Siu SC, et al : Atrial arrhythmia after surgical closure of atrial septal defects in adults. N Engl J Med 340:839-846,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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