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文献詳細

雑誌文献

検査と技術47巻11号

2019年11月発行

文献概要

トピックス

遺伝性不整脈

著者: 濱田里美1 笹野哲郎2

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部附属病院検査部 2東京医科歯科大学循環制御内科学

ページ範囲:P.1258 - P.1263

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はじめに

 心臓は,電気的興奮に引き続いて物理的に収縮することにより,ポンプとして血液を全身に送る臓器である.電気的興奮とは,細胞レベルで見ると心筋細胞の膜電位が上昇することであり,この電位変化を活動電位と呼び,活動電位の始まりに膜電位が上昇することを脱分極,活動電位の終わりに膜電位が元に戻ることを再分極という.心筋細胞の脱分極と再分極は,各種のイオンチャネルの働きによりNa,Ca2+,Kなどのイオンが細胞内に流入または細胞外に流出することで制御される(図1).特にKチャネルは多くの種類があり,それらが異なるタイミングで開口することが重要である.心臓が十分に血液を駆出するためには,精密にコントロールされた電気的興奮が不可欠である.この電気的興奮になんらかの障害が生じた結果,心拍に異常をきたすものが不整脈である.

参考文献

1)Ellinor PT, Lunetta KL, Albert CM, et al : Meta-analysis identifies six new susceptibility loci for atrial fibrillation. Nat Genet 44:670-675,2012
2)Roselli C, Chaffin MD, Weng LC, et al : Multi-ethnic genome-wide association study for atrial fibrillation. Nat Genet 50:1225-1233,2018
3)Moss AJ, Zareba W, Benhorin J, et al : ECG T-wave patterns in genetically distinct forms of the hereditary long QT syndrome. Circulation 92:2929-2934,1995
1)日本循環器学会,日本心臓病学会,日本不整脈心電学会:【ダイジェスト版】遺伝性不整脈の診療に関するガイドライン(2017年改訂版)(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2017_aonuma_d.pdf)(2019年7月19日アクセス)
2)Priori SG, Wilde AA, Horie M, et al : HRS/EHRA/APHRS expert consensus statement on the diagnosis and management of patients with inherited primary arrhythmia syndromes : document endorsed by HRS, EHRA, and APHRS in May 2013 and by ACCF, AHA, PACES, and AEPC in June 2013. Heart Rhythm 10:1932-1963,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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