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遺伝性不整脈
著者: 濱田里美1 笹野哲郎2
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部附属病院検査部 2東京医科歯科大学循環制御内科学
ページ範囲:P.1258 - P.1263
文献購入ページに移動心臓は,電気的興奮に引き続いて物理的に収縮することにより,ポンプとして血液を全身に送る臓器である.電気的興奮とは,細胞レベルで見ると心筋細胞の膜電位が上昇することであり,この電位変化を活動電位と呼び,活動電位の始まりに膜電位が上昇することを脱分極,活動電位の終わりに膜電位が元に戻ることを再分極という.心筋細胞の脱分極と再分極は,各種のイオンチャネルの働きによりNa+,Ca2+,K+などのイオンが細胞内に流入または細胞外に流出することで制御される(図1).特にKチャネルは多くの種類があり,それらが異なるタイミングで開口することが重要である.心臓が十分に血液を駆出するためには,精密にコントロールされた電気的興奮が不可欠である.この電気的興奮になんらかの障害が生じた結果,心拍に異常をきたすものが不整脈である.
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