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臨床検査のピットフォール
髄液検体の取り扱い方,細胞診塗抹標本作製時のピットフォール
著者: 大田喜孝1
所属機関: 1国際医療福祉大学福岡保健医療学部医学検査学科
ページ範囲:P.145 - P.149
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脳脊髄液(髄液)は常に脳脊髄組織に接してくも膜下腔を循環しており,中枢神経系の病態を捉えるうえで格好の検査材料となる.しかし,髄液細胞はことのほかデリケートで壊れやすく,採取した髄液中の細胞変性速度は極めて速い.そのため,体腔液や尿などと同様の細胞塗抹法では細胞所見の詳細を十分に反映することができない.本稿では髄液細胞塗沫標本作製過程におけるピットフォールについて紹介し,その対応策について詳しく解説する.
脳脊髄液(髄液)は常に脳脊髄組織に接してくも膜下腔を循環しており,中枢神経系の病態を捉えるうえで格好の検査材料となる.しかし,髄液細胞はことのほかデリケートで壊れやすく,採取した髄液中の細胞変性速度は極めて速い.そのため,体腔液や尿などと同様の細胞塗抹法では細胞所見の詳細を十分に反映することができない.本稿では髄液細胞塗沫標本作製過程におけるピットフォールについて紹介し,その対応策について詳しく解説する.
参考文献
1)西国広(編):基礎から学ぶ—細胞診のすすめ方,第4版.Ⅷ.脳脊髄液の細胞診,2.髄液細胞塗抹標本の作製.近代出版,pp206-207,2018
2)一般社団法人日本臨床衛生検査技師会(監):JAMT技術教本シリーズ 髄液検査技術教本.3.2.1髄液の採取・取り扱い・肉眼的観察,3.2.2髄液細胞の観察.丸善出版,pp24-44,2015
3)日本臨床細胞学会(編):細胞診ガイドライン3 甲状腺・内分泌・神経系.B.細胞採取法と処理法.金原出版.pp183-186,2015
4)佐藤能啓,大田喜孝:髄液細胞アトラス.1.髄液細胞標本の作成法.朝倉書店,pp2-21,1992
5)伊藤機一(監),稲垣清剛,稲垣勇夫:一般検査領域における穿刺液細胞アトラス.Ⅲ.髄液の細胞,7.塗抹標本作製のための検体処理法.医歯薬出版.pp17-20,1994
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