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文献詳細

雑誌文献

検査と技術47巻2号

2019年02月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈生理〉

経験を通して学んだBrugada症候群の対応

著者: 徳永実紗1 石山恵1 久保山美奈子1 石川未希1 光井朋子1 白井和之1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院臨床検査部

ページ範囲:P.162 - P.166

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はじめに

 Brugada症候群は,1992年にBrugadaらによって報告された疾患で,明らかな器質的基礎疾患を認めず,心室細動をきたし突然死にいたる可能性のある疾患である1).右側胸部誘導V1〜V3におけるcoved型またはsaddle-back型ST上昇を伴う右脚ブロックパターンの心電図波形が,本症候群の診断に重要である.この典型的心電図所見は副交感神経刺激により著明になり,交感神経刺激によって正常化するため2),日内変動および日差変動があり,夜間就眠時や早朝,食後に不整脈発作が多く発生する.よって,常に典型的心電図波形を示しているとは限らず,時には正常化しているため本症候群を見逃してしまう可能性がある.また,失神発作を起こした症例では,発作前の心電図が記録されているものは少ない.

 今回筆者らは,発作前や発作時の心電図を含め,臨床経過を通して多様な心電図変化を記録することができた症例を経験したため報告する.

参考文献

1)齋藤憲,野村昌弘:Brugada症候群とその取り扱い.四国医誌 59:220-227,2003
2)宮本康二,清水渉:Brugada症候群と失神(神経調節性失神の意義).心臓 45:1370-1373,2013
3)野村昌弘,森博愛:Brugada症候群の取り扱い—Brugada型心電図をどう管理するか.四国医誌 61:126-134,2005
4)新博次:突発性心室細動とBrugada症候群.不整脈 14:368-376,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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