文献詳細
文献概要
病気のはなし
膵臓癌
著者: 中井陽介1 小池和彦1
所属機関: 1東京大学医学部付属病院消化器内科
ページ範囲:P.652 - P.657
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●膵臓癌は膵管上皮由来の悪性腫瘍であり,罹患率は増加傾向が持続,予後不良であることから,わが国における癌死亡数の4位となっている.
●症状が非特異的なことが多く,早期診断が困難なため,外科的切除率も20%程度にとどまっている.
●膵囊胞,糖尿病,喫煙,家族歴などの危険因子が注目されているものの,膵臓癌のスクリーニング法自体は確立されていない.
●早期診断に有用な腫瘍マーカーはなく,CT,MRI,超音波内視鏡(EUS)などの画像診断では腫瘤の描出だけでなく,膵管の拡張などの間接所見を拾い上げることが重要である.
●切除不能例の予後は極めて不良であったが,近年の新規抗癌剤の開発により徐々に治療成績は向上している.
●膵臓癌は膵管上皮由来の悪性腫瘍であり,罹患率は増加傾向が持続,予後不良であることから,わが国における癌死亡数の4位となっている.
●症状が非特異的なことが多く,早期診断が困難なため,外科的切除率も20%程度にとどまっている.
●膵囊胞,糖尿病,喫煙,家族歴などの危険因子が注目されているものの,膵臓癌のスクリーニング法自体は確立されていない.
●早期診断に有用な腫瘍マーカーはなく,CT,MRI,超音波内視鏡(EUS)などの画像診断では腫瘤の描出だけでなく,膵管の拡張などの間接所見を拾い上げることが重要である.
●切除不能例の予後は極めて不良であったが,近年の新規抗癌剤の開発により徐々に治療成績は向上している.
参考文献
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