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文献詳細

雑誌文献

検査と技術47巻7号

2019年07月発行

文献概要

FOCUS

がんゲノム医療の動向

著者: 秋田弘俊12

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究院腫瘍内科学教室 2北海道大学病院腫瘍内科,がん遺伝子診断部

ページ範囲:P.787 - P.793

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はじめに

 がんに対するPrecision Medicineの具体的なツールとして,“がんゲノム医療”への期待が高まっています.

 米国では,2010年ごろから大学や研究所,そして,そこから生まれたベンチャー企業においてがん遺伝子パネル検査注1が行われてきました.2015年1月には,当時のオバマ大統領の一般教書演説において“Precision Medicine Initiative”が発表され,世界的にも注目されましたが,以降,米国政府は毎年500〜600億ドルの公的予算を,がんゲノム医療の研究開発費として投入しています.背景には,効果的で安全な治療を提供し,効果の乏しい治療を排除することで医療費削減を図るねらいもあります.フランスではターゲットパネルシークエンス拠点の整備,がん患者5万人/年の全ゲノムシークエンスが行われ,イギリスでもがん患者10万人の全ゲノムシークエンスが実施されました.このような海外の動きを踏まえ,日本でも“ゲノム情報を用いて治療に介入するがんゲノム医療”を早急に開始する必要があります.

参考文献

1)厚生労働省:がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会,2017年3月27日〜5月29日(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou_423605.html)(2019年4月12日アクセス)
2)厚生労働省:がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会 報告書,2017年6月27日(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000169236.pdf)(2019年4月12日アクセス)
3)厚生労働省:がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会 概要,2017年6月27日(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000169237.pdf)(2019年4月12日アクセス)
4)厚生労働省:がんゲノム医療推進に向けた取組,2018年8月1日(https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000341604.pdf)(2019年4月12日アクセス)
5)シスメックス社:ニュースリリース がんゲノムプロファイリング検査用「OncoGuide™ NCCオンコパネル システム」の製造販売承認を取得, 2018年12月25日(https://www.sysmex.co.jp/corporate/news/2018/181225.html)(2019年4月12日アクセス)
6)国立研究開発法人国立がん研究センター:国立がん研究センターが開発した日本人のための国産がんゲノムプロファイリング検査「OncoGuide™ NCCオンコパネルシステム」が,コンビネーション医療機器として製造販売承認取得, 2018年12月26日(https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2018/1226_03/index.html)(2019年4月12日アクセス)
CDxがんゲノムプロファイル」製造販売承認プレスリリース,2018年12月27日(https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20181227163001_802.html)(2019年4月12日アクセス)
8)厚生労働省:がんゲノム医療中核拠点病院等の指定について, 2018年4月11日(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000203236.pdf)(2019年4月12日アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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