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心筋梗塞の部位診断に必要な心電図の追加誘導
著者: 尾形申弐1
所属機関: 1東京医科大学茨城医療センター中央検査部
ページ範囲:P.822 - P.824
文献購入ページに移動標準12誘導心電図は,それぞれ6つの肢誘導と胸部誘導からなる.肢誘導は,心臓を前額面で見た誘導で双極肢誘導と単極肢誘導がある.胸部誘導は,心臓を水平面でみた誘導で単極誘導である.心臓の解剖と各誘導との関係は,①Ⅰ誘導は下位側壁,②Ⅱ誘導は左下壁,③Ⅲ誘導は右下壁,④aVR誘導は心尖部,⑤aVL誘導は上位側壁,⑥aVF誘導は下壁,⑦V1・V2誘導は心室中隔,⑧V3・V4誘導は左室前壁,⑨V5・V6誘導は左室側壁に相当する(図1)1).12通りの方向の観察では,心臓の心尖部方向および胸部前面方向から左側面方向の限られた範囲の変化を捉えているにすぎない.特に,右室側および背面(後壁)側での変化は捉えにくく,右室梗塞・後壁梗塞の確認に標準12誘導心電図を用いることは難しいとされている.
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