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臨床医からの質問に答える
自己血糖測定器と検査室で測定したグルコースの結果が乖離することがあるのはなぜですか?
著者: 久米幸夫1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.826 - P.829
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血糖検査には,①検査室で行われる検査,②病棟などで医療従事者が使用する簡便かつ迅速に測定が可能なPOCT(point of care testing),③患者自身が測定する自己血糖測定器(self monitoring of blood glucose:SMBG)の3つがある.本稿では主に①と②との相違について解説する.
まず,検査室測定値とSMBG測定値の乖離を認め検査室へ問い合わせがあったとき,臨床医からの情報不足と,その原因が多様であることから回答に苦慮する場合がある.通常の患者の血糖値は,両測定法でそれほど差がないが,ごくまれに測定原理や検体の採取法などにより,無視できない差が生じる場合がある.明らかな乖離を認めた場合には検査の専門家として,臨床検査技師が率先して患者や臨床から情報を収集し,その乖離原因を究明する必要がある.
血糖検査には,①検査室で行われる検査,②病棟などで医療従事者が使用する簡便かつ迅速に測定が可能なPOCT(point of care testing),③患者自身が測定する自己血糖測定器(self monitoring of blood glucose:SMBG)の3つがある.本稿では主に①と②との相違について解説する.
まず,検査室測定値とSMBG測定値の乖離を認め検査室へ問い合わせがあったとき,臨床医からの情報不足と,その原因が多様であることから回答に苦慮する場合がある.通常の患者の血糖値は,両測定法でそれほど差がないが,ごくまれに測定原理や検体の採取法などにより,無視できない差が生じる場合がある.明らかな乖離を認めた場合には検査の専門家として,臨床検査技師が率先して患者や臨床から情報を収集し,その乖離原因を究明する必要がある.
参考文献
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2)古田真由美,斎藤浩美,中山年正:健常人における75g経口ブドウ糖負荷試験時の毛細管血・静脈血血糖値の差について.臨化 22:35-41,1993
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」の基本的性能評価の比較.医と薬学 70:389-397,2013
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