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尿沈渣中に出現する,リンパ球などの良性細胞と小型異型細胞の鑑別点を教えてください.
著者: 岸本修次1
所属機関: 1医療法人社団重仁まるがめ医療センター検査科
ページ範囲:P.924 - P.926
文献概要
A 尿沈渣に出現する異型細胞は90%以上が尿路上皮癌で,大きくてザラザラ感のある細胞質とクロマチンの増量した大きな核,大型細胞集塊などを見ることが多いでしょう.大きい細胞ならば,比較対象となる細胞は扁平上皮細胞や尿路上皮細胞の表層部に近い細胞ですから,判定は容易になります.一方,悪性リンパ腫や小細胞癌,小型の前立腺癌などは比較対象となる細胞が多く,またこれらは全尿路系異型細胞の数%のため,尿沈渣経験の少ない技師では見たことのある人は多くないでしょう.小型異型細胞を判定するためには,類似した良性細胞を判別できなければなりません.
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