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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻1号

2020年01月発行

文献概要

病気のはなし

インフルエンザ

著者: 岡秀昭1 山下裕敬1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科・感染症科

ページ範囲:P.4 - P.9

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Point

●インフルエンザの診断に重要なのは流行歴や臨床症状であり,必ずしも全例に検査を行う必要はない.

●わが国で広く行われているキットによるインフルエンザ迅速診断は感度の問題があり,その特性を理解したうえで行うことが重要で,ルーチンに施行するべきではない.

●インフルエンザ関連肺炎が疑われる場合は,血液検査など各種検査を考慮する.特にインフルエンザ後二次性肺炎では肺炎球菌,インフルエンザ桿菌に加え,黄色ブドウ球菌を起因菌として想起すべきであり,特にMRSAが問題となる.

●インフルエンザ後二次性肺炎を考える際に,喀痰のグラム染色は起因菌の推定および抗菌薬選択に有用であるため,積極的に行うべきである.

参考文献

1)国立感染症研究所:インフルエンザとは(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/219-about-flu.html)(2019年10月8日アクセス)
2)Miyamoto A, Watanabe S : Posterior Pharyngeal Wall Follicles as Early Diagnostic Marker for Seasonal and Novel Influenza. General Med 12:51-60,2011
3)岡秀昭:感染症プラチナマニュアル2019.メディカル・サイエンス・インターナショナル,pp178-181,2019
4)Uyeki TM, Bernstein HH, Bradley JS, et al : Clinical Practice Guidelines by the Infectious Diseases Society of America : 2018 Update on Diagnosis, Treatment, Chemoprophylaxis, and Institutional Outbreak Management of Seasonal Influenza. Clin Infect Dis 68:e1-e47,2019
5)菅谷憲夫(編著):インフルエンザ診療ガイド2018-19.日本医事新報社,pp116-118,2018
6)三田村敬子,川上千春,清水英明,他:インフルエンザの診断法.臨と微生物 37:569-576,2010
7)Burch J, Corbett M, Stock C, et al : Prescription of anti-influenza drugs for healthy adults: a systematic review and meta-analysis. Lancet Infect Dis 9:537-545,2009
8)関雅文,河野茂:インフルエンザウイルス感染症の特殊な病態と合併症 インフルエンザウイルス肺炎.日医師会誌 134:1929-1932,2006
9)川村隆之,山本善裕:呼吸器感染症による緊急受診 ウイルス感染後の二次性の下気道感染.内科 123:61-64,2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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