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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻1号

2020年01月発行

FOCUS

がんゲノム医療中核拠点病院における臨床検査技師の役割と貢献

著者: 柳田絵美衣12

所属機関: 1慶應義塾大学医学部病理学教室 2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット

ページ範囲:P.24 - P.28

文献概要

がんゲノム医療とがんゲノム医療中核拠点病院

 厚生労働省によると,2017年のわが国におけるがんによる死亡者数は373,334人(男性220,398人,女性152,936人)1)であり,がん罹患数は年々増加している.

 ヒトゲノム解析計画では,2013年に1人分の全ゲノムが解析された.ゲノム研究が進むにつれて,がん発生に“遺伝子変異”がかかわっていることが明らかになった.現在,コンパニオン診断を含め,特定の遺伝子変異をターゲットとした治療薬剤が開発され,治療に使用されている.がん発生の原因となっている遺伝子変異は,患者ごとにプロファイルが異なるため,患者ごとに効果が期待できる薬剤も異なる.“がんゲノム医療”は,がん患者の遺伝子変異を調べ,治療薬剤やエントリー可能な治験情報を探索,提供するものであり,がん領域の“個別化医療”といえる.しかし,個人特定に直結するゲノム情報は厳重に取扱う必要があり,技術やシステムなどの環境が整備された施設にて,がんゲノム医療を行うことが求められた.この医療を提供する施設として,2018年2月に厚生労働省は11施設の“がんゲノム医療中核拠点病院”(以下,中核拠点病院)と,100施設の“がんゲノム医療連携病院”(以下,連携病院)を指定した.中核拠点病院は,表1に挙げた役割を担うことが求められている.

参考文献

1)国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター:最新がん統計 1.日本の最新がん統計まとめ(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html)(2019年9月17日アクセス)
2)厚生労働省:がん診療連携拠点病院等 がんゲノム医療中核拠点病院等の整備について(https://www.mhlw.go.jp/content/000532262.pdf)(2019年10月21日アクセス)
1)柳田絵美衣,松岡亮介,林秀幸,他:クリニカルシーケンスとしての院内完結型網羅的がん遺伝子解析(CLHURC検査)の実際.医学検査 67:131-141,2018
2)柳田絵美衣,西原広史:がんゲノム医療における臨床検査技師の役割.臨病理 66:479-489,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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