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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻11号

2020年11月発行

文献概要

FOCUS

血算,生化学検査で患者の病態を探ろう

著者: 本田孝行1

所属機関: 1信州大学医学部病態解析診断学教室

ページ範囲:P.1202 - P.1204

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はじめに

 世界中で最も頻回に行われる検査は,血算と生化学検査(ルーチン検査)である.皆さんはルーチン検査から患者の病態を探ろうとしたことがあるだろうか.多くの医療従事者は,ルーチン検査で驚くほど正確に患者の病態を把握できることを知らない.ルーチン検査の価値を理解していない.

 医療の最終目的は,患者の病気を治すことである.患者の状態を正確に捉えなければ,正確な診断を行えない.患者の小さな変化に早く気づかなければ,適切な治療は行えない.患者の変化する状態を常に把握するために,医師は診察を行っている.ルーチン検査は毎日行えないが,診察よりも感度よく患者の変化を捉えられることも多い.ルーチン検査は,検査室が行う“診察”と考えてもよい.

 検査室はルーチン検査以外にも多くの検査を行っている.検査なので,診断目的で行うものが多い.全ての臨床検査技師がルーチン検査で患者の全体像を把握したうえで専門検査を行えば,臨床検査技師の仕事の楽しさが2倍になる.そして,検査部としての医療貢献も倍増する.

参考文献

1)本田孝行:検査値を読むトレーニング.医学書院,2019
2)河合忠(監),山田俊幸,本田孝行(編):異常値の出るメカニズム,第7版.医学書院,2018
3)黒川清:水・電解質と酸塩基平衡,改訂第2版.南江堂,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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