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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻11号

2020年11月発行

文献概要

技術講座 血液

血栓性微小血管症(TMA)の診断

著者: 上田恭典1

所属機関: 1公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院血液内科,血液治療センター,外来化学療法センター

ページ範囲:P.1219 - P.1225

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Point

●血栓性微小血管症(TMA)は微小血管に生じた血小板血栓による溶血性貧血と消費性血小板減少が特徴です.

●血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は先天性もしくは抗体産生によりADAMTS13活性が10%未満になり,von Willebrand因子(VWF)血小板血栓を生じるTMAです.

●溶血性尿毒症症候群(HUS)は志賀毒素産生大腸菌(STEC)感染や肺炎球菌感染に続発して生じる腎機能障害を特徴とするTMAです.

●非典型HUS(aHUS)は第2経路を介した補体活性の亢進によるTMAで,補体,補体制御因子の先天的異常や抗体産生によって生じます.

参考文献

1)厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業「血液凝固異常症に関する調査研究班」TTPグループ:特発性血小板減少性紫斑病(TTP)診療ガイド2020.厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業血液凝固異常症等に関する研究 2019年度総括・分担研究報告書.pp44-65,2020(https://www.ketsuekigyoko.org/pdf/jisseki/jisseki_2019.pdf)(2020年7月28日アクセス)
2)Matsumoto M, Bennett CL, Isonishi A, et al : Acquired Idiopathic ADAMTS13 activity deficient thrombotic thrombocytopenic purpura in a Population from Japan. PLoS One 7:e33029,2012
3)上田恭典:血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の治療.臨血 55:2076-2086,2014
4)五十嵐隆,溶血性尿毒症症候群の診断・治療ガイドライン作成班(編):溶血性尿毒症症候群の診断・治療ガイドライン.東京医学社,2014
5)非典型溶血性尿毒症症候群診断基準改訂委員会:非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2015(https://cdn.jsn.or.jp/guideline/pdf/ahus_2016-2.pdf)(2020年7月28日アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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