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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻11号

2020年11月発行

文献概要

疾患と検査値の推移

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

著者: 上ノ宮彰1

所属機関: 1昭和大学病院生理検査室

ページ範囲:P.1242 - P.1248

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Point

●慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,進行性の疾患である.その進行はとても緩徐であり,自覚症状が乏しいまま経過する.

●呼吸機能検査を行うことでCOPDの病期の分類が可能である.指標となるのは1秒量/予測1秒量(%FEV1)である.また,フローボリューム曲線は特徴的な形状を示す.

●近年,気管支喘息や間質性肺炎との合併症が報告され,気腫型COPDとの鑑別が必要となっている.気管支喘息との鑑別には呼吸機能検査が必須であり,特に重要なのは気道閉塞の可逆性,呼気一酸化炭素濃度の検査である.間質性肺炎との鑑別にはCT検査が有用である.

参考文献

1)日本呼吸器学会COPDガイドライン第5版作成委員会(編):COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン2018,第5版.日本呼吸器学会,2018
2)厚生労働省:平成30年(2018)人口動態統計(確定数)の概況 死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(人口10万対)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei18/dl/11_h7.pdf)(2020年8月26日アクセス)
3)厚生労働省:平成27年国民健康・栄養調査結果の概要,2016(https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/kekkagaiyou.pdf)(2020年9月3日アクセス)
4)Fukuchi Y, Nishimura M, Ichinose M, et al : COPD in Japan : the Nippon COPD Epidemiology study. Respirology 9:458-465,2004
5)厚生労働省:平成29年(2017)人口動態統計(確定数)の概況 性別にみた死因順位(第10位まで)別 死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合,2018(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei17/dl/10_h6.pdf)(2020年9月3日アクセス)
6)GOLD日本委員会(監):Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease日本語版.メディカルレビュー,2011
7)大杉隆史,外村舜治,古林栄太郎,他:Flow-volume曲線の新しいindexに関する一試案.日胸臨 40:956-962,1981
8)浅井一久,渡辺徹也,栩野吉弘,他:気管支喘息—COPDオーバーラップ症候群(ACOS).日内会誌 104:1082-1088,2015
9)山本雅史:気腫合併肺線維症.日本臨床衛生検査技師会(監):呼吸機能検査症例集2016.じほう,pp48-50,2016
10)久保惠嗣,藤本圭作:間質性肺炎(気腫合併肺線維症).日内会誌 101:1578-1585,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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