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雑誌文献

検査と技術48巻12号

2020年12月発行

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トピックス

線維芽細胞増殖因子23(FGF23)関連低リン血症性くる病・骨軟化症

著者: 福本誠二1

所属機関: 1徳島大学先端酵素学研究所藤井節郎記念医科学センター

ページ範囲:P.1290 - P.1292

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はじめに

 骨芽細胞が産生・分泌するⅠ型コラーゲンを主とする骨基質に,ハイドロキシアパタイト[Ca10(PO46(OH)2]結晶が沈着する石灰化により骨が形成される.くる病と骨軟化症は,この骨石灰化の障害を特徴とする疾患である.くる病と骨軟化症の病因は,数多い.ただし,これらの疾患の病因は共通で,慢性低リン血症が原因となっている場合が多い.このうち,成長軟骨帯閉鎖以前に発症し,下肢変形や成長障害を主徴とするものが,くる病である.成人で発症する骨軟化症では,筋力低下や骨痛が主訴となることが多い.

 歴史的には,ビタミンD欠乏くる病・骨軟化症が大きな問題であった.その後,天然型ビタミンDの補充によっては治癒しない“ビタミンD抵抗性くる病・骨軟化症”という疾患概念が提唱されていた.近年の検討により,大分部のビタミンD抵抗性くる病・骨軟化症は,過剰な線維芽細胞増殖因子23(fibroblast growth factor 23:FGF23)活性によるFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症であることが明らかにされた.

参考文献

1)福本誠二:FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の診断と治療.糖尿病・内分泌代謝科 50:296-300,2020
2)福本誠二:骨軟化症,くる病.薬局 71:906-908,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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