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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻12号

2020年12月発行

文献概要

臨床検査のピットフォール

ウイルス感染症迅速検査の解釈・迅速検査の落とし穴

著者: 荒木(福岡)かほる1

所属機関: 1沖縄県立中部病院小児科

ページ範囲:P.1330 - P.1332

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はじめに

 ウイルス感染症の迅速検査は,感染症診療ならびに感染対策において広く用いられる検査方法の1つである.国内では多くの迅速検査キットが発売されており,保険診療で実施可能な迅速検査キットも多く存在する.

 小児は成人と比較してウイルス性疾患に罹患する頻度が高く,迅速検査は小児科診療で重要な役割を占めるが,その役割は以下の2点に集約される.

 1点目は,病気の原因である微生物を特定することによって治療方針を検討できる点である.疾患によっては検査診断が治療方針に影響しないこともあるが,自然経過を予測する,あるいは不必要な検査・治療を回避できる可能性がある.2点目は,速やかに感染対策を実施できる点である.検査結果を正しく解釈することができれば,病棟におけるアウトブレイク(通常のレベルを超えて感染症が発生・増加すること)の確知や病床の調整・隔離にも有効となる場合がある.

参考文献

1)牛島廣治,Thongprachum A,沖津祥子:ノロウイルスの迅速簡易検出法(イムノクロマト法).IASR 38:11-12,2017(https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2401-related-articles/related-articles-443/7020-443r05.html)(2020年8月18日アクセス)
2)Fox JW, Cohen DM, Marcon MJ, et al : Performance of rapid streptococcal antigen testing varies by personnel. J Clin Microbiol 44:3918-3922,2006
3)Keitel K, Wagner N, Lacroix L, et al : Performance characteristics of a rapid immunochromatographic assay for detection of pandemic influenza A (H1N1) virus in children. Eur J Pediatr 170:511-517,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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