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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻12号

2020年12月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

甲状腺腫瘤の臨床的対応を決めるために細胞診検体で行う遺伝子検査の実状・意義について教えてください.

著者: 鈴木彩菜1

所属機関: 1隈病院病理診断科

ページ範囲:P.1338 - P.1341

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はじめに

 この30年間で,甲状腺腫瘍の組織型や悪性度に関連したさまざまな遺伝子変異が同定されました.腫瘍の遺伝子変異を調べることによって,腫瘍の発生機序や組織型分類,悪性度,予後が推測できれば,治療方針の決定に応用することが可能です1).今回の質問である甲状腺細胞診検体で遺伝子検査を行う意義について,日本での実状を交えながら解説します.

参考文献

1)廣川満良:甲状腺腫瘍の分子病理.深山正久,森永正二郎(編):外科病理学,第5版.文光堂,pp827-833,2020
2)加藤良平:甲状腺癌の遺伝子診断は有用か? 日内分泌・甲状腺外会誌 34:88-92,2017
3)Nikiforov YE, Carty SE, Chiosea SI, et al : Impact of the Multi-Gene ThyroSeq Next-Generation Sequencing Assay on Cancer Diagnosis in Thyroid Nodules with Atypia of Undetermined Significance/Follicular Lesion of Undetermined Significance Cytology. Thyroid 25:1217-1223,2015
4)Alexander EK, Kennedy GC, Baloch ZW, et al : Preoperative diagnosis of benign thyroid nodules with indeterminate cytology. N Engl J Med 367:705-715,2012
5)Ali SZ, Cibas ES (eds) : The Bethesda System for Reporting Thyroid Cytopathology, 2nd ed. Springer, Chan, 2017
6)光武範吏:TERTプロモーター変異のクローナリティ:穿刺吸引細胞診における検出率についての検討.第61回日本甲状腺学会学術集会抄録集.pp11-22,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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