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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻2号

2020年02月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

睡眠検査装置の自動解析ソフトウエアを使った解析結果はそのまま利用できますか?

著者: 早坂宏之1 松田美夏1 藤田雅彦1

所属機関: 1ウェルネス望洋台医院小樽睡眠クリニック

ページ範囲:P.158 - P.161

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はじめに

 近年,健康志向からかよりよい睡眠を求めたり,メディアからさまざまな睡眠障害に関する情報を得て不安になり医療機関を受診したりする方が増加しています.特に肥満や加齢で起こりやすい睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS)は最もポピュラーで,身体疾患へと進展するだけでなく日中の眠気で事故を引き起こし,社会問題となることがあります.継続した不眠や過度な日中の眠気,居眠りも夜間の睡眠に問題があるかもしれません.

 こうした睡眠障害の有無や程度とその原因検索には睡眠を客観的に評価するポリソムノグラフィ(polysomnography:PSG)検査が必要となります.通常の脳波計を使って検査することもできますが,より小型軽量で簡便なPSG検査装置が普及しています.この装置には睡眠段階や呼吸,下肢筋電図,酸素飽和度〔SpO2(oxygen saturation of peripheral artery)〕などの各種イベントを解析するソフトウエアが用意されていて,検査終了後に短時間で結果を出すことができます.もちろん通常の脳波計を使用した検査でも,専用もしくは汎用性のある自動解析ソフトウエアを用いることができます.このようなソフトウエアを用いれば,PSG検査に携わったことがなく専門的な知識がなくても解析結果を得ることができます.また,解析に要する時間が大幅に節約され大画面のモニターなどを用意する必要もなく,不在にしていても解析レポートを得ることができるという意味では自動解析は便利なのかもしれません.本稿では自動解析の限界と利用するにあたっての問題点について述べます.

参考文献

1)加根村隆:自動判定の問題点,使用上の要点.日本睡眠学会(編):臨床睡眠検査マニュアル.ライフ・サイエンス,pp78-81,2006
2)Rechtschaffen A,Kales A(著),清野茂博(訳):睡眠脳波アトラス 標準用語・手技・判定法(復刻版).医歯薬出版,2010
3)米国睡眠医学会(著),日本睡眠学会(監訳):AASMによる睡眠および随伴イベントの判定マニュアル ルール,用語,技術仕様の詳細 VERSION 2.5.ライフ・サイエンス,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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