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子宮頸がん検診におけるHPV検査はどの手法がよいのでしょうか?
著者: 笹川寿之1
所属機関: 1金沢医科大学病院産科婦人科
ページ範囲:P.162 - P.164
文献購入ページに移動A 現在,日本の子宮頸がん検診で使えるHPV(human papillomavirus)検査として,ハイブリッドキャプチャー法(hybrid capture 2:HC2),コバスHPV法(Cobas),アプティマ-HPV法(Aptima),BD Onclarity-HPV法(Onclarity)があります(図1).後者3つの検査は,HC2と比較して特に問題がないことを米国のFDA(Food and Drug Administration)が認めていますので,いずれも信頼できる検査法と思われます.de Thurahら1)によると,これらとHC2との間の不一致率は31%とされており,どれが最もよいかを判断することは難しいです.したがって検診の対象者がどのような集団か,プライマリーHPV検診か細胞診との併用検診かといった個別の事情によって分けて考える必要があります.
HC2は13タイプのHPVのDNA(deoxyribonucleic acid)を全長で検出するため,他のタイプとの交差反応がみられます2).一方,Cobas,Aptima,Onclarityではそのような交差反応は少なく,検出感度はHC2よりも高いとされています.さらにCobasはHPV16,18型と他の高リスクHPV型とを区別できるという特徴があります3).Aptimaは高リスクHPV型のE6/E7 mRNA(messenger RNA)の発現を検出するため,癌へ進行する病変を検出できる特徴もあります4).OnclarityはAptimaと同様にHPV-E6/E7遺伝子を検出でき,さらにHPV16,18,31,45,51,52型の判定,33/58,35/39/68,56/59/66型などのグループ判別が可能です(図1).
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