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増刊号 採血のすべて—手技から採血室の運用まで徹底解説 Ⅲ 採血手技と検査値
採血後の検体保存の影響
著者: 田村孝子1
所属機関: 1東京女子医科大学病院中央検査部検体検査室
ページ範囲:P.262 - P.267
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検体検査は,良好な採血,正しい採血管,正しい攪拌に続き,正しい検体処理および保存によって初めて正しい検査値となる.採血後の検体に影響を及ぼす条件としては温度と時間経過,その他物理的な刺激などの要因も含まれる.これらを正しく対処し,本来の患者状態を反映した検査値を報告できるよう,検査室はその影響について理解し,追加検査の可否決定を含め適切な条件と期間内での保存が必要とされる.
また,これらの検体への影響に関しては,臨床検査技師はもちろんのこと,実際に検体を採取し検査室まで搬送してくる医師,看護師,搬送担当者などその他職種のスタッフも知っておくべきことであり,検査部からの積極的な啓蒙活動も大切である.ここでは,採血後の検体保存において,①温度の影響,②時間経過による影響,③その他に分けて解説する.なお,本稿の概略を表1にまとめたので参考にされたい.
検体検査は,良好な採血,正しい採血管,正しい攪拌に続き,正しい検体処理および保存によって初めて正しい検査値となる.採血後の検体に影響を及ぼす条件としては温度と時間経過,その他物理的な刺激などの要因も含まれる.これらを正しく対処し,本来の患者状態を反映した検査値を報告できるよう,検査室はその影響について理解し,追加検査の可否決定を含め適切な条件と期間内での保存が必要とされる.
また,これらの検体への影響に関しては,臨床検査技師はもちろんのこと,実際に検体を採取し検査室まで搬送してくる医師,看護師,搬送担当者などその他職種のスタッフも知っておくべきことであり,検査部からの積極的な啓蒙活動も大切である.ここでは,採血後の検体保存において,①温度の影響,②時間経過による影響,③その他に分けて解説する.なお,本稿の概略を表1にまとめたので参考にされたい.
参考文献
1)薮内博史,三谷典映,北垣内佳予子,他:血中BNP測定値に及ぼす検体保存条件の影響.臨化 33:187-191,2004
2)金井正光(監),奥村伸生,戸塚実,矢冨裕(編):臨床検査法提要,改訂第34版.金原出版,pp664-666,2015
3)濱﨑直孝,高木康:臨床検査の正しい仕方—検体採取から測定まで.宇宙堂八木書店,pp60-61,2008
4)田村孝子:トピックス 測定前工程で知っておくべき基礎知識(2)血液算定用検体.臨病理 63:1387-1396,2015
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