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増刊号 採血のすべて—手技から採血室の運用まで徹底解説 Ⅴ 採血室の運営と工夫
採血説明書と採血室の掲示
著者: 金子誠1
所属機関: 1東京医科大学臨床検査医学分野
ページ範囲:P.320 - P.323
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採血説明書と採血室の掲示の役割
説明書や掲示は,“大事な情報をわかりやすく伝える”ために存在する.では,採血に関する説明書と採血室での掲示はどうあるべきか.もちろん,自施設の診療案内や採血室の待ち時間などを列挙しておくことは患者サービスとしてあるほうがよい.しかし本当に大切な情報は,採血前に被採血者(患者)に安全に実施するために確認すべき事項や採血に伴う合併症など,採血についての注意事項や詳細情報であり,これをわかりやすく知らせることで被採血者に安心感を提供することである.本来であれば,医師による説明がなされて,そのうえで被採血者が医療行為へ同意(自ら決定)するのであるが,現在のわが国の医療環境の制約により,個々の採血実施に関して被採血者の理解を十分に得ることなく実施されている可能性がある1).そのために採血説明書や採血室の掲示は,採血についての説明不足な点を補助する重要な役割を果たす重要な情報源であるべきである.
採血に関するどのような情報を提供すべきか,標準採血法ガイドライン(GP4-A3)2)を参考に各病院で掲載内容をよく吟味したうえで,採血の安全性を高めるための方法の1つとして説明書や掲示するのがよいと考える.具体的にどのような情報が提供されるべきか,また,その注意点についてまとめたので参考にされたい.
採血説明書と採血室の掲示の役割
説明書や掲示は,“大事な情報をわかりやすく伝える”ために存在する.では,採血に関する説明書と採血室での掲示はどうあるべきか.もちろん,自施設の診療案内や採血室の待ち時間などを列挙しておくことは患者サービスとしてあるほうがよい.しかし本当に大切な情報は,採血前に被採血者(患者)に安全に実施するために確認すべき事項や採血に伴う合併症など,採血についての注意事項や詳細情報であり,これをわかりやすく知らせることで被採血者に安心感を提供することである.本来であれば,医師による説明がなされて,そのうえで被採血者が医療行為へ同意(自ら決定)するのであるが,現在のわが国の医療環境の制約により,個々の採血実施に関して被採血者の理解を十分に得ることなく実施されている可能性がある1).そのために採血説明書や採血室の掲示は,採血についての説明不足な点を補助する重要な役割を果たす重要な情報源であるべきである.
採血に関するどのような情報を提供すべきか,標準採血法ガイドライン(GP4-A3)2)を参考に各病院で掲載内容をよく吟味したうえで,採血の安全性を高めるための方法の1つとして説明書や掲示するのがよいと考える.具体的にどのような情報が提供されるべきか,また,その注意点についてまとめたので参考にされたい.
参考文献
1)渡邊卓:採血にあたっての説明・同意について.臨検 50:251-253,2006
2)日本臨床検査標準協議会:標準採血法ガイドライン(GP4-A3).日本臨床検査標準協議会,2019
3)厚生労働省:人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/kenkyujigyou/i-kenkyu/)(2019年12月17日アクセス)
4)三浦信彦,石井潤一:採血時のトラブルを未然に防ぐ.臨病理 58:833-838,2010
5)大西宏明:採血をめぐる諸問題 採血による合併症とその対策.臨病理 53:904-910,2005
6)金子誠,曽根伸治,盛田和治,他:採血業務における診療支援と患者サービス向上を目指して.日臨検自動化会誌 41:3-12,2016
7)平本久美子:病院案内チラシは読み手に伝えるデザインに 院内掲示物は遠くからでも伝わるデザインで.保険診療 74:28-29,2019
8)文化庁:著作物が自由に使える場合(http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html)(2019年11月28日アクセス)
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