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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻3号

2020年03月発行

文献概要

増刊号 採血のすべて—手技から採血室の運用まで徹底解説 Ⅴ 採血室の運営と工夫

病棟採血の安全性向上への取り組み—RFIDを用いた患者認証システムの運用

著者: 森本誠1

所属機関: 1三重大学医学部附属病院中央検査部

ページ範囲:P.360 - P.362

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はじめに

 採血患者および採血管の間違え防止対策として,三重大学医学部附属病院(以下,当院)においてもバーコードを利用した患者認証システムを運用してきたが,近年RFID(radio frequency identification)を用いた検体情報統括管理システム(Technomedica RFID Process control System:TRIPS)を導入する施設が増えている1〜3)

 RFIDは,ユビキタス社会の実現,高度情報サービスのツールとして期待される自動認識技術の1つである.業務改善やセキュリティー対策を実現するツールとして導入が加速している.RFID技術の発展や製品展開は目覚しく,製造,物流,小売り,サービス,交通などのさまざまな分野で,また個体識別,トレーサビリティ,環境への対応といった業務用途で重要な役割を担いつつある.バーコードのようにスキャナーを正確に当てる必要がなく,一つ一つスキャンする必要もない.また一度の読み取りで複数のICタグを認識できる特徴がある.

 当院では,外来棟移転時の2015年5月から医療安全性(採血患者および採血管の間違え防止対策)の向上,業務の効率化を目的としてRFIDを用いたTRIPSを中央採血室,検体検査室に導入した.導入効果が認められたことから,2016年2月からは,5部署の病棟にRFIDラベルプリンタとTRIPSを先行導入し,医療情報システム更新時の2017年1月からは全ての病棟(14部署)と救急外来にRFIDラベルプリンタとRFIDリーダー:iPod touch(RFID付き),RFID付きリストバンドを導入したので運用状況と効果について述べる.

参考文献

1)石本学,原文子,本倉徹:鳥取大学病院でのICタグ付き検体ラベル(RFID)を活用した採血システム導入効果.日臨検自動化会誌 40:515,2015
2)吉岡麻衣,田中美樹,田中千晶,他:RFID導入とシステム更新による業務改善の評価.日臨検自動化会誌 42:443,2017
3)神前雅彦,黒田美穂,藤岡孝博,他:当院外来採血室へのRFIDラベル導入の効果.日臨検自動化会誌 43:492,2018
4)森本誠,下仮屋雄二,小寺恵美子,他:三重大学病院における病棟RFID導入効果について.日臨検自動化会誌 43:492,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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