文献詳細
文献概要
増刊号 採血のすべて—手技から採血室の運用まで徹底解説 付録 教科書には書いていない採血のコツ
翼状針の斜め持ち
著者: 杤尾人司1
所属機関: 1神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
ページ範囲:P.364 - P.364
文献購入ページに移動 翼状針を用いた採血は,痛みなどの不快感が少なく,不成功の確率が低いといわれている1).翼状針は通常,端を重ね合わせた二枚の翼を垂直に立て親指と人さし指でつまんで持つように設計されている(通常法:仮称“掌かぶせ持ち”).しかし,この持ち方で採血すると,血管を穿刺したことを示す重要なサインである逆血が両指の影となってリアルタイムに見えない.指を外して初めて逆血がないことに気付き,あわてて針を引き戻し,再度方向を変えて穿刺したり,あるいは逆血はあるが採血管に吸引できず,刺し過ぎたと考えながら少し針を引き戻したりするなど,あたふたとしてしまう.
表題の,“翼状針の斜め持ち2)”とは,針先刃面は上に向けたまま二枚の翼の端をずらし,少し横に倒した状態で持つ方法をいう.翼状針を横から持つため,針先からチューブまで全体が見渡せ,血管を正確に穿刺したことを知らせる逆血がリアルタイムにモニターできる.
表題の,“翼状針の斜め持ち2)”とは,針先刃面は上に向けたまま二枚の翼の端をずらし,少し横に倒した状態で持つ方法をいう.翼状針を横から持つため,針先からチューブまで全体が見渡せ,血管を正確に穿刺したことを知らせる逆血がリアルタイムにモニターできる.
参考文献
1)日本臨床検査標準協議会:標準採血法ガイドライン(GP4-A3).日本臨床検査標準協議会,2019
2)杤尾人司,伊藤秀臣,五十嵐昭一,他:採血困難時における翼状針の持ち方についての研究 翼部を斜めから持つ方法に関するアンケート調査の結果とその有用性.医学検査 57:842-848,2008
掲載誌情報