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髄膜癌腫症—髄液検査の重要性
著者: 中洲庸子1
所属機関: 1滋賀医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.398 - P.401
文献購入ページに移動癌の臨床では診断と治療の進歩,特に分子標的薬を含む癌薬物療法の進歩は目覚ましく,患者の生命予後の延長に寄与している.しかし,中枢神経系(central nervous system:CNS)は血液−脳関門,血液−髄液関門で保護されており,薬物が有効治療域に達しにくい.このため癌診療のなかでCNS合併症の患者が増加しており,特に最近は治療困難で短命とされていた髄膜癌腫症に対する新しい診断と治療が注目されている1).
髄膜癌腫症は,悪性腫瘍細胞がくも膜・軟膜・脳室上衣,くも膜下腔や脳室内に広がり,髄液内に播種した状態である.髄膜癌腫症には,①固形癌の髄膜播種,②血液腫瘍の髄膜浸潤が含まれる.これらは病態疫学・診断・治療などが異なるため,本稿ではおのおのに分けて最近の知見を概説する.
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