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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻4号

2020年04月発行

文献概要

連載 生理検査のアーチファクト・33

—平衡機能検査① 電気眼振図検査—まばたきによるアーチファクト

著者: 工藤弘恵1

所属機関: 1埼玉医科大学病院耳鼻咽喉科神経耳科部門

ページ範囲:P.444 - P.449

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平衡機能検査のアーチファクトとは?

 平衡機能検査にはさまざまな原因による平衡障害を客観的に評価する種々の検査がある.平衡機能検査において正しい結果を得るために重要なことは,正しい電極装着,機器の設定,異常所見とアーチファクトの鑑別ができることはもちろんであるが,“患者の協力”も必要不可欠なものとなる.したがって,患者の心理状態,理解度に合わせて検査内容を説明できることもアーチファクトを減らすためには重要である.本号からは平衡機能検査のなかでも眼運動系の検査として電気眼振図(electronystagmography:ENG)検査,体平衡系の検査として重心動揺検査に関する内容を4回にわたり紹介していく.

 本稿はENGにおけるアーチファクトに関して触れていくが,その前にENGについて簡単に説明する.ENG検査とはめまいの他覚的所見である“眼振”をはじめ,平衡障害の他覚的所見としての自発的な異常眼球運動,視刺激,温度刺激(カロリックテスト)などを用いて異常を検出する際の眼球運動を記録する検査であり,図1,2のように記録される.

参考文献

1)一般社団法人日本めまい平衡医学会(編):「イラスト」めまいの検査,改訂第3版.診断と治療社,pp24-25,2018
2)小松崎篤:ENGアトラス.医学書院,pp36-38,2017
3)遠藤まゆみ,水野正浩:異常眼球運動とアーチファクトの見分けかたとアーチファクト除去法.検と技 31:1410-1414,2003
4)日本平衡機能検査技術者会:平衡機能検査マニュアル,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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