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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻5号

2020年05月発行

文献概要

Q&A 読者質問箱

偽性高カリウム血症はどんなときに起きるのですか?

著者: 清宮正徳1

所属機関: 1国際医療福祉大学成田保健医療学部医学検査学科

ページ範囲:P.522 - P.524

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Q 偽性高カリウム血症はどんなときに起きるのですか?

A 血清(漿)中のカリウム濃度の異常高値は生体に重大な影響を与え,6.5mmol/Lを超えると重篤な不整脈が発生する可能性があることから,多くの施設で高カリウム血症はパニック値報告の対象です.しかしカリウムは細胞内で高く,細胞の活動や破壊により血液中に放出され,偽高値を起こす場合があります.腎機能や心機能に問題がなく,カリウムが単独で上昇することはまれです.カリウムの高値が不審(前回値異常,他の項目と合わない)な場合は,偽高値が発生していないかどうか確認しなければなりません.これまで報告されている偽高値症例を表1にまとめました.本稿では,どのようなときに偽性高カリウム血症が起きるのかを原因別に解説します.

参考文献

1)Kellerman PS, Thornbery JM : Pseudohyperkalemia due to pneumatic tube transport in a leukemic patient. Am J Kidney Dis 46:746-748,2005
2)菱木光太郎,遠山麻,佐藤亮,他:骨髄増殖性腫瘍患者検体における補正式を用いた真のカリウム値予測への試み.臨病理 60:516-522,2012
3)Sugimoto T, Kume S, Osawa N, et al : Familial pseudohyperkalemia : a rare cause of hyperkalemia. Intern Med 44:875-878,2005
4)清宮正徳,工藤ひろみ,鈴木芳武,他:採血に起因する血中カリウム偽高値の出現機序と,回避方法に関する検討.日臨検自動化会誌 34:839-844,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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