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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻5号

2020年05月発行

文献概要

臨床検査のピットフォール

腎機能評価にeGFRを用いる際の注意点

著者: 山本裕之1

所属機関: 1大阪赤十字病院臨床検査科部

ページ範囲:P.543 - P.545

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はじめに

 腎機能の基本である腎糸球体濾過量の測定は,国際的にはイヌリンを用いたイヌリンクリアランスがゴールドスタンダードである.しかし,イヌリンクリアランス測定法は非常に煩雑であり,イヌリン測定自体が一般病院では実施されていない.そこでイヌリンよりも測定が簡易的なクレアチニンクリアランス(creatinine clearance:Ccr)による推算式が利用されてきた.しかし,これらも多剤耐性緑膿菌(multidrug resistant Pseudomonas aeruginosa:MDRP)などの院内感染の問題があり1),蓄尿検査を行わない病院が増えてきている.また,外来患者においても,蓄尿検査を行うことは難しい.そこで,血清クレアチニン(creatinine:Cr)から算出される推算糸球体濾過量(estimated glomerular filtration rate:eGFR)を用いることで,簡便に腎臓の状態を判断することが可能となり,臨床で広く用いられてきた.本稿では腎機能評価にeGFRを用いる際の注意点について述べる.

参考文献

1)吉本静雄,岡内里美,鉦谷久美子:多剤耐性緑膿菌による尿路感染症アウトブレイクの疫学的検討と感染対策.環境感染 20:37-43,2005
2)日本腎臓学会(編):エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018.東京医学社,2018
3)Pöge U, Gerhardt T, Stoffel-Wagner B, et al : Cystatin C-based calculation of glomerular filtration rate in kidney transplant recipients. Kidney Int 70:204-210,2006
4)Cimerman N, Brguljan PM, Krasovec M, et al : Serum cystatin C, a potent inhibitor of cysteine proteinases, is elevated in asthmatic patients. Clin Chim Acta 300:83-95,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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