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検査と技術48巻6号

2020年06月発行

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高血圧治療ガイドライン—2014年版から2019年版への改訂のポイント

著者: 下澤達雄1

所属機関: 1国際医療福祉大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.567 - P.571

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はじめに

 2014年に高血圧治療ガイドラインが発行され,日本の研究成果の他にも米国でのSPRINT(systolic blood pressure intervention trial)試験のような大規模臨床試験で適切な降圧目標値を探る研究が発表されたことから,2017年よりガイドライン改訂準備を開始し2019年4月に最新版のガイドラインが発行された.2019年版では従来と異なり17のClinical Questionを設け,現在論文として発表されているデータをメタ解析し,エビデンスに基づいたAnswerを記載している.当初は17以上のClinical Questionが挙げられたが,メタ解析するに足るだけの情報がないClinical Questionもあり,最終的に17個になった.そのため,現状エビデンスに基づいた高血圧診療を行ううえではこのClinical Questionをまずは参照することが勧められる.この他に9つのQuestionとして例えば,水銀血圧計が使えなくなることから,どのような血圧計を推奨するか(Q1),家庭血圧の測定方法(Q2),血圧変動性の評価方法(Q3)のような,まだエビデンスが十分ではないものの日常臨床で問題となる点を取り上げている.

 本稿では2014年版から2019年版への大きな変更点について,特に臨床検査にかかわる部分を概説する.

参考文献

1)日本高血圧学会学術委員会血圧計に関するワーキンググループ:日本高血圧学会 血圧計の試験結果に関する集計(https://www.jpnsh.jp/com_ac_wg1.html)(2020年2月25日アクセス)
2)Gildea JJ, Carlson JM, Schoeffel CD, et al : Urinary exosome miRNome analysis and its applications to salt sensitivity of blood pressure. Clin Biochem 46:1131-1134,2013
3)Shukuya K, Ogura S, Tokuhara Y, et al : Novel round cells in urine sediment and their clinical implications. Clin Chim Acta 457:142-149,2016
4)Perez-Hernandez J, Olivares MD, Solaz E, et al : Urinary podocyte-associated molecules and albuminuria in hypertension. J Hypertens 36:1712-1718,2018
5)Aita K, Etoh M, Hamada H, et al : Acute and transient podocyte loss and proteinuria in preeclampsia. Nephron Clin Pract 112:c65-c70,2009
6)下澤達雄:推定一日食塩摂取量の計算(http://www.srl.info/srlinfo/salt/)(2020年2月25日アクセス)
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9)Nagueh SF, Smiseth OA, Appleton CP, et al : Recommendations for the Evaluation of Left Ventricular Diastolic Function by Echocardiography : An Update from the American Society of Echocardiography and the European Association of Cardiovascular Imaging. J Am Soc Echocardiogr 29:277-314,2016
10)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編):高血圧治療ガイドライン2019.ライフサイエンス出版,2019
11)高血圧・循環器病予防療養指導士認定試験事務局:日本高血圧学会・日本循環器病予防学会・日本動脈硬化学会認定 高血圧・循環器病予防療養指導士(https://www.jpnsh.jp/sidousi/index.html)(2020年2月25日アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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