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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻6号

2020年06月発行

FOCUS

ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程

著者: 立石悠基12 小田義直12

所属機関: 1九州大学大学院医学研究院形態機能病理学 2九州大学病院病理診断科・病理部

ページ範囲:P.575 - P.577

文献概要

はじめに

 日々の病理組織診断においては,生検や手術などにより採取・切除された組織のホルマリン固定パラフィン包埋(formalin fixed paraffin embedded:FFPE)検体からHE(hematoxylin-eosin)標本が作製され,形態診断が行われています.また,特殊染色や免疫染色を追加することでさらに詳しい診断が行われています.現在ではこれらの形態診断に加え,核酸や蛋白などの生体分子の検索を目的とした分子診断にも用いられています.さらには次世代シークエンシング(next-generation sequencing:NGS)法などの新規技術の臨床導入が一部開始され,今後診療を目的として作製される全てのFFPE検体に対し,これらの技術を用いたゲノム診断で利用可能な一定水準以上の品質が求められるようになっています.

 精度の高い分子診断を行うためには,検体の品質管理は極めて重要です.多遺伝子解析の結果を保証しなければならないゲノム診断(遺伝子パネル検査)においては,その結果の質を保証するためには,これまで以上に,より厳格な検体の品質管理が求められます.

 こうした状況を鑑みて,2016年に策定された「ゲノム研究用病理組織検体取扱い規程」を元に一般社団法人日本病理学会ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程策定ワーキンググループ(委員長:小田義直)は2018年に「ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程」を策定しました.本稿では,本規程よりFFPE検体の適切な作製・保管方法について紹介します.

参考文献

1)日本病理学会(編):ゲノム研究用・診療用病理組織検体取扱い規程.羊土社,2019
2)日本病理学会ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程策定ワーキンググループ:ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程.日本病理学会,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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