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雑誌文献

検査と技術48巻6号

2020年06月発行

文献概要

Q&A 読者質問箱

CMLではNAPスコアーが低値になる機序,急性転化時には上昇する機序について教えてください.

著者: 森沙耶香1 長谷川寛雄1

所属機関: 1長崎大学病院検査部

ページ範囲:P.614 - P.615

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Q CMLではNAPスコアーが低値になる機序,急性転化時には上昇する機序について教えてください.

A 慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia:CML)患者の成熟好中球においてアルカリフォスファターゼ(alkaline phosphatase:ALP)活性が低下していることが発見され,細胞化学的ALP活性測定法である好中球アルカリフォスファターゼ(neutrophil alkaline phosphatase:NAP)染色法が確立し,白血球数が著増していない早期でもCMLの診断が可能になりました.しかしその後長らく,CMLにおけるNAP活性低下の原因は実はよくわかっていませんでした.近年,さまざまなサイトカインの研究が進むにつれて,その機序が解明されてきました.本稿では,CMLにおいてNAPスコアーが低値になる機序について解説しますが,急性転化時におけるNAPスコアーの上昇については原因が解明されていません.機序に関して諸説あるのですが,私見を交え説明したいと思います.

参考文献

1)阿南建一,亀岡孝則,須田正洋(監):エビデンス血液形態学.近代出版,p120,2014
2)日本検査血液学会(編):スタンダード検査血液学,第3版.医歯薬出版,p110,2014
3)Chikkappa G, Wang GJ, Santella D, et al : Granulocyte colony-stimulating factor (G-CSF) induces synthesis of alkaline phosphatase in neutrophilic granulocytes of chronic myelogenous leukemia patients. Leuk Res 12:491-498,1988

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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