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疾患と検査値の推移
肝硬変
著者: 影山憲貴1
所属機関: 1日本医科大学付属病院臨床検査部
ページ範囲:P.724 - P.732
文献購入ページに移動●肝硬変とは慢性肝障害が進行して肝細胞が壊死と再生を繰り返す過程で,肝線維化や類洞の毛細血管化が生じて肝臓が硬く変化した状態であり,肝機能が低下している.また,病理組織学的に明確な概念規定がある.
●肝硬変の原因のほとんどが肝炎ウイルス感染〔特にC型肝炎ウイルス(HCV)〕によるもので,HCV・B型肝炎ウイルス(HBV)が全体の約60%を占め,次いでアルコール性が約20%を占める.
●機能的な分類として,代償性(自覚症状に乏しい)と非代償性(さまざまな自覚症状を認める)に区別する.
●確定診断は肝生検による組織診断であるが,一般的には血液検査所見,画像所見,臨床症状などから総合的に判断し診断される.
●肝硬変が進行した際の主な合併症は肝不全,門脈圧亢進症,消化管出血,肝細胞癌の発生である.また,肝不全の主な徴候は肝性脳症,腹水,浮腫,黄疸である.
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