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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻7号

2020年07月発行

文献概要

連載 生理検査のアーチファクト・36

—平衡機能検査④ 重心動揺検査—患者の理解不足による影響

著者: 工藤弘恵1

所属機関: 1埼玉医科大学病院耳鼻咽喉科神経耳科部門

ページ範囲:P.733 - P.736

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重心動揺検査とは

 今回は体平衡系の検査として,重心動揺検査に関して紹介する.

 重心動揺検査とは,直立起立姿勢時に現れる体の重心の動揺を測定し,平衡機能を評価する検査である.人は直立起立姿勢時には視覚系,内耳(前庭・半規管系),体性感覚系(筋・腱深部受容器系)からの入力を中枢神経系(小脳,脳幹,脊髄など)で処理し,その情報を四肢・軀幹の骨格筋に出力し“偏倚(へんい)”(身体が倒れそうになること)と“立ち直り反射”(偏倚を元に戻そうとする働き)を無意識に繰り返しながら直立姿勢を保っている.そのため,人は直立時には常に微小な揺れが生じている.

参考文献

1)日本平衡神経科学会運営委員会:重心動揺検査のQ&A,手引き(1995).Equilibrium Res 55:64-77,1996
2)山本昌彦:パネルディスカッション「重心動揺検査の現状と将来展望」 司会のことば.Equilibrium Res 75:125-126,2016
3)岩﨑真一:重心動揺検査によるめまい・平衡障害の診断:ラバー負荷検査と周波数解析を用いて.Equilibrium Res 77:271-279,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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