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薬剤性腎障害の際に,なぜ尿中に好酸球が出現するのですか?
著者: 西尾康英1
所属機関: 1東京都立多摩総合医療センター内科
ページ範囲:P.742 - P.746
文献購入ページに移動薬剤性腎障害の種類と急性間質性腎炎
薬剤性腎障害は,障害部位や機序から図1に示すようにさまざまな病態疾患がありますが,好酸球が関連するのは尿細管が障害部位となる間質性腎障害です1).尿細管と間質を障害する薬剤性腎障害は図1中の太字で示しますが,障害機序から,薬剤が用量依存性に尿細管を障害する直接毒性(中毒性)(中毒性腎障害),用量非依存性の免疫的機序による腎障害(急性間質性腎炎),腎血流障害や電解質異常を介した間接毒性(虚血性腎障害),溶解度の低い薬剤の結晶析出性(結晶沈着性腎障害)の4つに分類されます.好酸球が尿中にみられるのは,そのなかでも2番目の免疫的機序によって起こされる薬剤性尿細管間質性腎炎です.
尿細管間質性腎炎は急性と慢性に分類されます.両者が合併することが多く,好酸球が関与するのは主に急性尿細管間質性腎炎で,ATIN(acute tubulo-interstitial nephritis)が正しい病名と略称ですが,通常,尿細管を省略して“急性間質性腎炎”と呼ばれることが多いので,本稿では急性間質性腎炎の略語として汎用されているAIN(acute interstitial nephritis)を用います.
薬剤性腎障害は,障害部位や機序から図1に示すようにさまざまな病態疾患がありますが,好酸球が関連するのは尿細管が障害部位となる間質性腎障害です1).尿細管と間質を障害する薬剤性腎障害は図1中の太字で示しますが,障害機序から,薬剤が用量依存性に尿細管を障害する直接毒性(中毒性)(中毒性腎障害),用量非依存性の免疫的機序による腎障害(急性間質性腎炎),腎血流障害や電解質異常を介した間接毒性(虚血性腎障害),溶解度の低い薬剤の結晶析出性(結晶沈着性腎障害)の4つに分類されます.好酸球が尿中にみられるのは,そのなかでも2番目の免疫的機序によって起こされる薬剤性尿細管間質性腎炎です.
尿細管間質性腎炎は急性と慢性に分類されます.両者が合併することが多く,好酸球が関与するのは主に急性尿細管間質性腎炎で,ATIN(acute tubulo-interstitial nephritis)が正しい病名と略称ですが,通常,尿細管を省略して“急性間質性腎炎”と呼ばれることが多いので,本稿では急性間質性腎炎の略語として汎用されているAIN(acute interstitial nephritis)を用います.
参考文献
1)薬剤性腎障害の診療ガイドライン作成委員会:薬剤性腎障害診療ガイドライン2016.日腎会誌 58:477-555,2016
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5)Muriithi AK, Nasr SH, Leung N : Utility of urine eosinophils in the diagnosis of acute interstitial nephritis. Clin J Am Soc Nephrol 8:1857-1862,2013
6)龍華章裕:薬物と腎疾患—我々臨床家にとって避けることのできない切実な問題.Hospitalist l6:125-149,2018
7)大塚梨沙,小林真二,荘司 路,他:国立国際医療研究センター病院における全自動尿中有形成分分析装置UF-5000を用いた尿沈渣検査の運用について.Sysmex Journal Web 20,2019
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