文献詳細
Q&A 読者質問箱
脂肪染色を行う際の凍結標本作製になぜショ糖液を使用するのですか?
著者: 山里勝信1
所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂医院病理診断センター
ページ範囲:P.830 - P.833
文献概要
A 凍結標本作製の目的としては迅速組織診断,脂肪染色,蛍光抗体法,酵素抗体法などの免疫・組織化学染色があり,その作製方法には浸漬凍結法であるドライアイス・アセトン法,ドライアイス・イソペンタン法,液体窒素法などが知られている.きれいな凍結標本作製を行うには氷晶ができないように凍結標本作製の際,組織はできるだけ迅速に凍結させることが重要とされている1,2).凍結標本は生の組織から行う場合とホルマリン固定された組織で行う場合がある.ホルマリン固定検体から行う場合はショ糖(スクロース)やHoltのガムスクロース法3)で前処理を行う方法が知られており,これらの前処理は凍結の際にできる氷晶形成を抑制する働きがある.
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