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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻9号

2020年09月発行

文献概要

増刊号 学会発表・論文執筆はもう怖くない! 臨床検査技師のための研究入門 2章 研究の進めかた

対象者とアウトカムの設定方法—バイアスの少ない研究を目指そう

著者: 中杤昌弘1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科総合保健学専攻実社会情報健康医療学講座

ページ範囲:P.880 - P.885

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はじめに

 これまでの稿で紹介されてきたように,PECO/PICOによって研究のリサーチクエスチョンを明確化し,研究デザインを決めてきた.しかし,PECO/PICOで定めた対象者(PECO/PICOのPEC/PIC部分)とアウトカム(PECO/PICOのO)の設定は本当にこれで大丈夫だろうか? 研究デザインに穴がありはしないだろうか?

 医学研究(特に人を対象とした研究)では,データの収集過程でしばしば意図しない偏り(バイアス)がデータに入り込み,誤った研究結果,誤った解釈をもたらすことがある.そのため,バイアスの影響を受けない,あるいは受ける影響を可能な限り少なくするように,研究の対象者とアウトカムを設定する必要がある.本稿では,さまざまなバイアスとその対処方法について紹介する.

参考文献

1)中村好一:基礎から学ぶ楽しい疫学,第3版.医学書院,2013
2)大木秀一:基本からわかる看護疫学入門,第3版.医歯薬出版,2017
3)Sackett DL : Bias in analytic research. J Chronic Dis 32:51-63,1979

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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