icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻9号

2020年09月発行

文献概要

増刊号 学会発表・論文執筆はもう怖くない! 臨床検査技師のための研究入門 5章 学会発表のアドバイス

Acceptされる抄録の書きかた

著者: 小林剛1

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会呉共済病院病理診断科

ページ範囲:P.952 - P.955

文献購入ページに移動
はじめに

 学会発表をすることが決まると,初めにやらないといけないことは“抄録(abstract)作成”である.抄録は学会発表の土台であり,抄録の出来が学会発表の出来を左右するといっても過言ではない.さらに,学会発表後の論文投稿においてもabstractが重要な役割を担ってくる.査読者がその論文を評価する際,初めにabstractから目を通して,論文の大体の流れを把握する.論文の“第一印象”はabstractによって決まるといっても過言ではないだろう.したがって,本文がいくら上手に書けていたとしても,abstractがイマイチだと,すぐにリジェクトされることもある.

 学会発表において,自分が登録した演題が採用(accept)してもらえるかどうかは,発表タイトルとその抄録の内容によって全てが決まる.国内学会では,比較的採用率が高いものが多いのに対し,国際学会では採用率が低いものも存在する.基本的に,学会の査読者は短時間で抄録を採点し,複数の査読者の採点結果によって,その演題の採否が決定される.査読者にとっては,短時間で採点をしないといけないため,わかりやすくて読みやすい抄録ほど,高い点数をつけることが多い.したがって,文字数が限られているなかで,いかに“わかりやすく,魅力的な抄録”を書けるかが重要になってくる.

 本稿では,採用してもらえる魅力的な抄録を書くためのノウハウを紹介したいと思う.これから学会発表デビューを考えている方や,よく学会発表をされている方にも,ぜひ目を通していただきたい.

参考文献

1)小林剛,柴田淳,信広亮輔,他:胸水細胞診でdual CD3 and CD4 positive plasma cell neoplasmと診断された1例.医学検査 69:117-124,2020
2)海道利実(編):外科医の外科医による外科医以外にもためになる学会発表12カ条.へるす出版,2014
3)Kobayashi G, Sentani K, Hattori T, et al : Clinicopathological significance of claspin overexpression and its association with spheroid formation in gastric cancer. Hum Pathol 84:8-17,2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?