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文献詳細

雑誌文献

検査と技術48巻9号

2020年09月発行

文献概要

増刊号 学会発表・論文執筆はもう怖くない! 臨床検査技師のための研究入門 6章 論文執筆のアドバイス

試薬検討の評価と基本的な書きかた

著者: 村越大輝1

所属機関: 1地方独立行政法人静岡県立病院機構静岡県立総合病院検査技術室

ページ範囲:P.970 - P.974

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はじめに

 研究と聞くと,大学や大学病院で盛んに行われており,新しくて画期的なことをやるものといったイメージをもたれる方も多いかもしれないが,必ずしもそうではなく,市中病院でも研究が行える可能性は十分にある.研究は基礎研究,応用研究,開発研究に大別され,臨床検査における基礎研究は新規医療技術の開発が中心となり,応用研究は開発された医療技術の評価や比較であり,開発研究はどちらの要素も兼ね備えた発展的な研究である.どれも必要不可欠な研究で,大学,大学病院,市中病院とそれぞれの機能や役割に合わせた研究が求められる.

 市中病院の主な役割は,応用研究として測定系で起こるピットフォールの精査や新規試薬の性能評価,既存試薬との比較検討を実施することである.また,機器・試薬の導入や変更は検査室の重要な役割であり,性能を把握したうえで導入するためにも検討方法や評価方法を熟知し,適切な評価を自施設で実施することが望ましい.

 本稿では,試薬の性能評価と比較検討を行う際の妥当性の確認方法(validation:バリデーション)と評価について解説する.また,その際の研究論文の構成についても触れるので執筆の際の参考にしていただきたい.

参考文献

1)山本慶和,細萱茂実,桑克彦,他:定量測定法に関するバリデーション指針.臨化 40:149-157,2011
2)日本臨床化学会:クオリティマネジメント専門委員会 定量測定法のバリデーション算出用プログラム(http://jscc-jp.gr.jp/?page_id=1145)(2020年6月19日アクセス)
3)日本臨床衛生検査技師会:臨床検査精度保証教本.日本臨床衛生検査技師会,pp51-54,2019
4)日本臨床化学会クオリティマネジメント専門委員会:定量分析法における検出限界および定量限界の評価法.臨化 35:280-294,2006
5)細萱茂実:直線性の評価と試料希釈誤差補正法—従来の直線性評価法は不適切!? 検と技 28:131-134,2000
6)市原清志:臨床検査の方法間比較法.臨検 49:1315-1326,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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